(4) 川べりの危険な生き物
ブユ(ブヨ)
ブユ類は体長2〜7mm程度の小型のハエのような吸血性の虫です。ブユは地域によってはブヨ、あるいはブトとも呼ばれ、高原や山間部の渓流沿い、梅雨時などの高湿時に多く発生し、朝夕に活動することが多いです。
厄介なことに刺されている時は痛み、かゆみをほとんど感じないので対処が遅れてしまいがちです。刺されて半日くらいすると、刺された所が赤く腫れて熱くなり次第に強烈な痒みを生じ、頭痛を引き起こすこともあります。早めに痒み止めの軟膏(ステロイド軟膏など)を塗る、ひどい場合には内服薬を処方してもらいます。人によっては、赤紫のしこりや痒みが1年以上残る人もいます。
毛虫(チャドクガ)
ドクガ科。本州以南の日本各地に分布。幼虫(終齢)は体長25ミリ、頭部は黄褐色、体は淡黄色で、背線は細く暗褐色です。ツバキ科のチャやツバキやサザンカなどによく大発生しますが、増水後の草むらにいることもあります。
人を刺すのは目立つ長い毛ではなく、からだ中に50万本もある微細な毒針毛です。毒針毛は幼虫が脱いだ皮(脱皮殻)にも長い間残ります。幼虫は5月〜6月と、8〜9月に2回目発生します。幼虫ばかりでなく脱皮殻やサナギや成虫や、卵まで人を刺します。刺されるといつまでも激しいかゆみが残り、それが2〜3週間も続きます。また、刺されたときの痛みはほとんどなく、あとからヒリヒリした痛みと強いかゆみでそれとわかるのでやっかいです。この毛虫に刺されたとわかったときは、その場所にセロハンテープを貼って毒針毛を取り、そのあと長時間流水で洗い流すのがよく、手でこすったり掻いたりするのは最悪です。抗ヒスタミン含有のステロイド軟膏を塗り、症状がひどければ抗ヒスタミン剤を内服します。
破傷風菌
この菌は酸素が少ない所で増殖する嫌気性菌に属し、日陰や湿った土の中に広く分布しています。素足で川遊びをしたり、誤って古釘などを踏んだりして、汚れた深い傷から感染しやすい特徴があります。
破傷風菌が発生させる毒素は、口唇や手足のしびれや口があけにくいといった神経症状を引き起こし、死に至る感染症です。潜伏期間は通常3日〜3週間で、平均して4〜7日ごろから、口をあけにくいなどの症状があらわれます。症状が進むとわずかな光や音の刺激でも激しく痙攣し、呼吸が停止するなど、とても危険な状態になります。
過去10年以内に破傷風予防のワクチンを受けていない人は、医師に相談してみることをお勧めします。

